「蓋世之才」

『蓋世之才 がいせいのさい』

気力や能力、功績などが非常に優れていること。
また、それを持つ人。
その時代を覆い包むほど優れた才能のたとえ。
「蓋世」は世を蓋うことで、世の中を覆い尽くすほど気力が盛んであること。

韓国語でも同じく、개세지재 でした^^



「史記 項羽本紀」より、かの有名な「四面楚歌」です。


項王軍壁垓下。              項王の軍垓下に壁す。
兵少食尽。               兵少なく食尽く。
漢軍及諸侯兵囲之数重。         漢軍及び諸侯の兵、之を囲むこと数重なり。
夜聞漢軍四面皆楚歌、          夜漢軍の四面皆楚歌するを聞き、
項王乃大驚曰、             項王乃ち大いに驚きて曰はく、
「漢皆已得楚乎。            「漢皆已に楚を得たるか。
是何楚人之多也。」           是れ何ぞ楚人の多きや」と。
項王則夜起飲帳中。           項王則ち夜起ちて帳中に飲す。
有美人、名虞。             美人有り、名は虞。
常幸従。                常に幸せられて従ふ。
駿馬、名騅。              駿馬あり、名は騅。
常騎之。                常に之に騎る。
於是項王乃悲歌忼慨、          是に於いて、項王乃ち悲歌忼慨し、
自為詩曰、               自ら詩を為りて曰はく、

力抜山兮気蓋世             「力は山を抜き 気は世を蓋ふ
時不利兮騅不逝             時利あらず 騅逝かず
騅不逝兮可奈何             騅逝かざるを奈何すべき
虞兮虞兮奈若何             虞や 虞や 若を奈何せん」と。

歌数闋、美人和之。           歌ふこと数闋、美人之に和す。
項王泣数行下。             項王泣数行下る。
左右皆泣、莫能仰視。          左右皆泣き、能く仰ぎ視るもの莫し。



項王の軍は垓下の城壁の中に立てこもっていた。
すでに兵士は少なくなり、兵糧も底を尽いていた。
漢の軍と諸侯の兵は、項王の軍を幾重にも包囲していた。
夜になり、漢の軍が皆声を揃えて楚の国の歌を歌っているのを聞き、項王は驚愕して言った。
「漢軍はすでに楚をすっかり手中に収めてしまったのか。
なんと楚の人々の多いことよ。」
そこで項王は夜起き上がり、幕営の中で最後の酒宴を開いた。
虞という名の美人がいた。
いつも項王に寵愛され、付き従っていた。
また騅という名の駿馬がいた。
項王はいつもこれに乗っていた。
この時、項王は悲しげに歌い、興奮し嘆いて詩を作って言った。

我が力は山を抜くに足る 我が気力は世の中を圧倒するに足る
しかし時運は我に無く 騅は進もうとしない
騅が進もうとしないのを どうすればよいのか
虞姫よ虞姫よ 最愛のお前をどうすればよいのか

歌うことを数回、虞もこれに和して詩を作った。
項王ははらはらと涙を流した。
側近たちも皆泣き伏し仰ぎ見ることのできる者は一人もなかった。



これも杜牧の詩と同じく学生時代に勉強したはずですが、
「蓋世」という言葉は全く記憶にありませんでした~。(汗
改めて読んでみると
悲しくて胸が締めつけられます。


類語
『蓋世之材 がいせいのざい』 『抜山蓋世 ばつざんがいせい』



개세지재 [蓋世之才]
세상을 뒤덮을 만큼 뛰어난 재주


발산개세 [拔山蓋世]
힘은 산을 뽑고, 기상은 세상을 덮을 만함


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Comment

ひぃ〜っ。知りませんでしたね(^^;)。

たしかに字をよく見て考えれば意味はわかりそうですけども。う〜ん(^^;)。

ホントだ「四面楚歌」の中に「蓋世」の文言がありますねぇ。

頂王は、最後の最後まで詩を詠むことを忘れなかったのですねぇ...。
ハーちゃんさま^^
私も全然知らなくて、意味を読んでやっとあ~なるほど…という感じでした^^;
四面楚歌のくだりは、きちんと読んだのは高校以来のような気がします~。

四字熟語の勉強というより中国史や漢詩の勉強になってますね。(笑
  • 2014/02/12
  • るるる
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