言葉の世界って深いですね。/ 探検バクモン「【辞書】」

3月1日放送の「探検バクモン」では、
中型辞書の中では売り上げ第一位の「広辞苑」の編集室を訪問しました。
編集員のお一人、平木靖成さんが案内してくださいました。
とても興味深くて3回も見てしまいました。(笑

辞書編纂と言えば、三浦しをん氏の小説「舟を編む」があります。
「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」
辞書という主題に惹かれて本を開いてみましたが…
残念ながら読めませんでした、ゴメンナサイ^^;

読めなかった訳を、今回の番組を見て再認識しました。
基本的には、小説よりもっと直接的に現場の空気を感じられる
ルポルタージュやドキュメンタリーの方が好きなのです。
歴史に関しても、歴史小説よりは、専門家の出した本や論文に手が伸びます。
もちろん小説には小説の良さがあって、読まない訳ではないのですけど~。
今回の放送では、実際に編集に携わっている方々の姿を見て生の声を聞いて、
おおいに感動し勉強させていただきました^^
「舟を編む」は映画とアニメも作られましたね。
これからアニメを見るつもりです。その後、再び小説を手にするかな…。
アニメの馬締光也は平木さんがモデルですね♪



広辞苑は、1955年の初版以来、約10年ごとに改定を繰り返し、
現在は2008年の第六版です。
約3000ページに24万語を収録し、累計の売り上げは1100万部。
人名、地名、科学用語などを網羅し、古い意味から順に載せているのが特徴です。
例えば、「かわいい」は、
1.いたわしい、ふびんだ、かわいそうだ
2.愛すべきである、深い愛情を感じる
3.小さくて美しい
となっています。
大辞林、大辞泉は逆に新しい意味から載っていますね。


日本初の近代的国語辞典と言われる「言海」も紹介されました。
1891年に完成、3万9103語を収録しました。
ねこ【猫】人家に飼う小さき獣。温柔にして馴れ易く、また能く鼠を捕れば飼う。然れども、窃盗の性あり。
単なる言葉の説明でなく、猫に対する大きな愛が込められている気がします^^
因みに、日本最古の辞書と言われているのは682年に作られた「新字」です。


言葉の意味を「言葉」で説明する難しさと面白さを感じました。
「右」という言葉の意味を説明する時に、
目の前の人にジェスチャーで示すならば、すぐに分かってもらえますよね。
広辞苑では、
「南を向いた時、西にあたる方」
映画「舟を編む」に出てきたという一案は、
「数字の10を書いた時、0が来る方が右」
新明解国語辞典では、
「この辞典を開いて読む時、偶数ページのある側を言う」
もっと探してみると楽しそうです。

また辞書は、その言葉の意味だけでなく、
言葉を使った時に込められた気持ちやニュアンスがないと不十分だということです。
例えば「バツイチ」は、
一度離婚歴があることを「冗談めかして」言う語なので、
「離婚歴が一度ある」ことと「バツイチ」はイコールではない。
確かにそうですね。

面白かったのが、
「チョウチョウウオの縞」は、横に見えても「縦縞」ということ!
トラは「横縞」、シマウマも「横縞」、サッカーのアルゼンチン代表は「縦縞」。

びっくりして思わず「ええっ?!」と叫んでしまったのが、
「独壇場」は「独擅場」の誤用から生まれたという事実…。
てっきり、一人で壇上に立っているイメージだと思っていました。(笑
独擅場は「どくせんじょう」と読みます。
「擅」を調べてみると、「ほしいまま、自分勝手、占有する」という意味でした。

また、「ぼけ」「つっこみ」に漫才の意味が加わったのは1991年だそうです。
それに対して太田さんは、
「ビートたけしさんは『ボケ』とされているが、実は世の中に対する『ツッコミ』だ」と。
田中さんも、「太田もボケだが実はツッコんでいる」と。
漫才も進化しているということですよね。
これに平木さんは、「一番中心になる意味を書かなくてはいけない」と応じていましたが、
将来また新しい意味に変わることになるかもしれませんね。


改訂作業の大変さの例として、
スコットランドがイギリスから独立したらどうなるか、というお話がありました。
「イギリス」という語が含まれる項目は1567件。
その一つ一つについて表記を直すかどうか検証しなければなりません。
その他にも、
文と絵が改段落で離れてしまわないように文字数を調整したり、
都道府県や市の人口を更新したり、
作業は膨大です。


新語の取り扱いも大変ですね。
新語の数は、集め方にもよるということですが、1年でおよそ1万語。
10年間で集まった10万語を、議論して1万語に絞って辞書に載せるそうです。
10万語…^^;
選定基準は
・数年先にも使われているか
・その言葉がないと表現できない項目があるか
つまり、次の時代のコミュニケーションに欠かせないと判断された言葉、
ということなんですね。

採用された新語は、
1991年は、「ださい」「いまいち」「フリーター」「過労死」
1998年は、「ドタキャン」「すっぴん」「イチオシ」「ストーカー」
どの語も生き残ってますね!
選定眼が確かだということですよね~。

2008年に採用された新語は、
「ニート」「めっちゃ」「うざい」「癒し系」「顔文字」など20個ほどが紹介されました。

逆に、2008年に見送った新語は
「家電(いえでん)」「イケテる」「イナバウアー」「きよぶた」「クールビズ」など。
「家電」はもしかしたら、今後「家電」そのものがなくなるかもしれない、
ということでしょうか?!
見送られたものの中には、次回の改定で載りそうなものがありましたね^^


改訂の度に、使われる紙も進化しています。
初版が2300ページ、第六版が3000ページとページ数が増えているのに、
これまでのどの版も、片手で持つことのできる8cmの厚さです。
紙の厚さが65ミクロンから50ミクロンと、約20%も薄くなっています。
それでいて、不透明度82%をずっと保っています。
指には吸いつき、紙同士はくっつかないよう、表面の塗工材、表面処理を工夫しています。
そのため紙の価格は、文庫本の紙の価格の2倍です。
そういえば、8cmという厚さは、機械製本の限界だという話も聞いたことがあります。


同じ「言葉を集める」作業でも、
広告代理店は「パッと咲いたばかりの花」「芽吹いたばかりの芽」「散り始めた花粉」
のような言葉を集めるけれど、
辞書編集者は、
それが地面に降り積もって腐葉土になって、次の日本語の土壌になるものを集めている。
これから辞書を開く時には、深い森の土のいい匂いが立ち昇ってきそうです^^


編集員の皆さんが、心から楽しんで編集作業をしている姿に感動しました。
国勢調査から拾う数字の変化を見るのが楽しいと満面の笑みで語っていた編集員の方。
平木さんは番組冒頭で、
「(辞書編集以外の)他にもいろいろやりたかった。人生棒に振った」
とおっしゃっていました。
前半は本心でしょうけど、後半は冗談ですね。(笑
お仕事に誇りを持っていらっしゃるのは、お顔にちゃんと表れています。



実は、10年ほど前から大辞林・大辞泉派になってしまいました^^;
「今」に焦点を結んでいるので、トップギアに入れたまま作業ができる感じです。
でも歴史主義的な広辞苑も好きなんですよね。
子供の頃からずっと家にあって慣れ親しんできたので、
広辞苑を思うだけでいろいろな思い出がよみがえってきます。
時間を気にせず辞書の世界でのんびり遊ぶ余裕がなくなってしまった生活を
少し軌道修正したい気持ちもありますね…。

広辞苑の第七版は2018年に出る予定。
大辞林の第四版も同じ頃に出そうなのですが、
なんと、電子版がメインで紙版はサブと、立場が逆転するらしいのです。
辞書の今後も気になりますが、紙媒体そのものがこれからどうなっていくのか…ドキドキします。


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Comment

わー、いろいろな知識を得られるんですねぇ! 驚きの連続です!

「舟を編む」は読みました。映画も見ました。私はすんなりと読めたのですが、果たして本当の意味で「読めた」のかどうかは疑問です(^^;)。

うちにも「広辞苑」がありましたっけ。

るるるさんは何かを調べる時でも真剣に取り組まれますねぇ! またまた反省することしきり...(^^;)。
ハーちゃんさま^^

映画もご覧になったんですね~(*^^*)
私はアニメ、映画、小説の順になるような気がします(笑
以前にも辞書編纂に関する番組はあったんですけど、その時は気付くのが遅くて見られませんでした。
今回はしっかり見ることができて良かったです。
広辞苑は国民的な辞書ですよね~。

ハーちゃんさんの探究心が私にもあったら…といつも思うんですけど、なかなか難しいです(+_+)
  • 2017/03/10
  • るるる
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